心療内科医笹田信五のカウンセリングルーム
母親から殺されそうになった娘さんへ
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奈良県で、看護婦の母親が、高校一年生の長女を薬で殺害しようとした事件が起こりました。日々、大きくニュースで取り上げられています。
このお嬢さんだけではなくて、2年前に亡くなった兄弟も薬殺したのではないか。実の父親と母親にも投与したのではないか。その理由は、複数の男性との遊興費の捻出ではないのか。
次々とでてくる報道に、地獄を見る思いです。皆さんも、衝撃を受けておられることと思います。
しかし、最も気になるのは、この高校1年生のお嬢さんの心です。実の母親によって薬殺されようとしたというショックは、筆舌には尽くしがたいものがあります。そして、次々にでてくる事実は、奈落の果てへと追い打ちをかけるものでしょう。
このお嬢さんは、これから生きていくことが可能なのでしょうか。足下が根底から壊れ去ったことでしょう。今は、ショックでパニック状態でしょう。ただ、パニック状態は、まだましだとも言えます。
これから起こってくる人生の長い過程に比べれば、今の嘆き悲しみ絶望は、まだまだ序の口でしょう。
時がたてば記憶は薄れていくかもしれません。忘れることが治療でしょう。また、人間は忘れることができるものです。多くの人の助言や、医者の処方箋は、そのようなものでしょう。
しかし、完全に忘れることなどできません。まして、この世に生を受けたことを喜び感動することなどできません。しかも、自分自身には何の罪もないのに、この重みを背負わなくてはならないのです。
このお嬢さんに、「生かされてる医学」の「5つの発見」を知ってもらいたいのです。現実は確かに非情です。しかし、すべてを失ったとしても、それでも、「本当の自分を生きて、自分の山を登る」ことはできます。
自分を生きるために必要なものは、自分だけだからです。そして、「本当の自分」を生きること以上の喜びはありません。
どんなに辛くても、Yu(ユー)のかぎりない優しさと必然によって生かされています。Yu(ユー)から見れば、私達はかけがえのない大切な存在です。
この優しさと必然を越える不幸はあり得ません。なんとか、生かされてる医学の5つの発見がお嬢さんに届くことを願っています。